研究会案内
東アジア恠異学会
第154回定例研究会/第28回オンライン研究会
日時:2025年9月15日(月/祝)13:00〜
場所:対面・オンライン併用
(園田学園大学またはzoomにて)
※対面会場は園田学園大学近松研究所の予定です
(園田学園女子大学は2025年4月より園田学園大学に改称されました)
※参加ご希望の方は、こちらのフォームよりお申し込みください。(対面・オンラインに関わらずフォームから参加申込をお願いします) (申込みは9月12日(金)正午まで)
(https://forms.gle/HCdPd1g4qWZXnjQ28)
内容:
○「摂関期の怨霊—古記録の記述を中心に—(仮)」
ー波多野護氏(龍谷大学大学院文学研究科日本史学専攻博士後期課程)
【要旨】
日本古代の朝廷では、政争が生じるたびに敗者が勝者に祟ると信じられ、早良親王や菅原道真など、複数の怨霊が出現した。怨霊による災いを鎮めるため、朝廷は御霊会をはじめとした鎮魂儀礼など大規模な対応を実施した。
しかし、菅原道真の怨霊出現以降、同規模の怨霊鎮魂はほとんど行われなくなる。一方、平安末期には再び崇徳院の怨霊が出現する。先行研究においては、道真から崇徳院に至る時期の怨霊事例は十分に検討されてこなかった。
本報告では、この時期のうち摂関期を対象とし、『小右記』・『御堂関白記』など古記録に見られる怨霊事例の記述を中心に検討および考察を行いたい。これにより、摂関期における怨霊観の特徴とその変化を明らかにしたい。
○「鴆像の変遷に関する考察」
ー斎藤賢氏(東京大学大学院人文社会系研究科特任研究員)
福田将矢氏(京都大学総合研究推進本部リサーチ・アドミニストレーター)
山口優輔氏(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程)
【要旨】
「鴆」という毒鳥は中国の文献にしばしば登場し、人を殺し得るほどの猛毒をその羽に持つとされる半ば伝説的な存在であったが、1992年にはズグロモリモズをはじめとするピトフーイ属の一部が毒を持つことが発見され、毒鳥の実在が確認された。その発見は鴆を実在の鳥と関連付けようとする動きを生み出し、ピトフーイと鴆との関連性について論ずる研究も発表されている。
しかしながら、鴆に関する従来の議論は、鴆が実在するのか否か、ピトフーイとの間にいかなる関係があるのか、といった点に過度に関心が集中していた。それゆえ、諸文献の記す鴆のイメージの差異、および鴆という存在の文化的側面については等閑視されてきたように見受けられる。鴆の形象は時代によって変化が認められ、それはまた当時の社会・文化と自然との関係性を反映するものであるだろう。
このような問題意識を背景に、本報告では現在発見されている毒鳥に関する知見も紹介しつつ、鴆像の変遷を辿ることで、歴史的・文化的存在としての鴆を検討する。
*オンライン併用開催ではありますが、講演会ではなく研究会でありますので、
ご参加の方は、ご遠慮なくご意見ご発言ください。
*当会は学術団体ですが、参加資格・制限は特に設けておりません。
当会にご興味のある方は直接研究会においでいただくか、事務局にお問い合わせください。